stone island

2001AW STONE ISLAND MONOFILAMENT HOODED PADDED JACKET Designed by Paul Harvey

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COLOR : BEIGE

SIZE:L 着丈69cm 身幅62cm 裄丈79cm

MATERIAL : 表地 : NYLON 100%
表地2 : COTTON 100%
コーティング : POLYURETHAN 100%
中綿 : POLYESTER 100%

2001年秋冬、ストーンアイランドが素材研究の最前線を走っていた時代に生まれたこちらのフーデッドパデッドジャケットは、当時デザインディレクターを務めていたポール・ハーヴェイの思想を非常に色濃く反映した一着です。マッシモ・オスティが築き上げた「ガーメントダイ」「軍事素材の転用」「実験的テキスタイル」というブランドのDNAを継承しながら、それをより都市生活に適応させ、機能とデザインの融合を突き詰めていったのがポール・ハーヴェイ期のストーンアイランドであり、本作はまさにその象徴的プロダクトと言えます。


最大の特徴は、表地に使用されたモノフィラメント素材です。モノフィラメントとは、本来は漁網や産業資材などに使われる単繊維構造の糸で、通常の撚糸とは異なり一本のフィラメントで構成されているため、独特のハリ感と透明感、そして光の反射による鈍い艶を持つのが特徴です。このジャケットでは、そのモノフィラメントをコットンベースの生地とラミネート構造で組み合わせることで、布帛でありながらシェルのような質感を実現しています。写真でも分かる通り、角度や光量によって表情が大きく変わり、屋内ではマットで乾いた印象、屋外の自然光ではわずかに光を帯びた無機質な表情へと変化します。この視覚効果は単なるデザインではなく、素材構造そのものから生まれている点がストーンアイランドらしいアプローチです。


内部にはしっかりと中綿が封入され、当時のストーンアイランドが得意としていたミリタリー由来の保温設計が踏襲されています。過度なボリュームを持たせず、あくまで日常着として成立するバランスを保ちながら、防寒性能は十分に確保されており、秋冬のアウターとして実用面でも完成度が非常に高い作りです。フード一体型の構造も特徴で、ネック周りには立体的なパターン処理が施され、フードを被らない状態でも首元が自然に立ち上がり、シルエットに奥行きを与えています。


シルエットは当時らしいやや短丈・ボックス寄りのバランスで、ミリタリージャケットの実用設計をベースにしながらも、都市的なコンパクトさを意識したプロポーションになっています。裾と袖口はリブではなく布帛仕様に近い処理がされており、いわゆるスポーティなパデッドジャケットとは一線を画す、より無機質で工業的な印象を受けます。この抑制されたデザインこそが、素材の存在感を最大限に引き立てている要因でもあります。


左袖にはおなじみのコンパスバッジが付属し、当時の正規ディテールがしっかりと残っています。内タグからも2001AWシーズンの個体であることが確認でき、ポール・ハーヴェイ期特有の素材表記と品番構成が見られます。この時代のストーンアイランドは、現在のラグジュアリー寄りの路線とは異なり、より実験服・研究服に近い思想で物作りが行われており、プロダクト単体としての完成度と同時に、ブランドの技術史としても価値の高いアイテムが多く残されています。


経年変化についても、このジャケットは非常に興味深い表情を見せます。モノフィラメント素材は時間とともに細かなシワや擦れが生じ、均一だった表面に独特のムラ感が現れますが、それがむしろ工業製品が使い込まれていく過程のような味わいを生み、他のナイロンやコットン素材では得られない立体的なエイジングに繋がります。ヴィンテージ市場において、この年代のモノフィラメント系ストーンアイランドが評価されている理由の一つが、この経年による質感変化にあります。


一方で、取り扱いには注意が必要な素材でもあります。モノフィラメントは高温や強い摩擦に弱く、通常の洗濯機洗いでは生地構造が劣化しやすいため、基本的には洗濯不可、汚れは部分的な拭き取りでのケアが推奨されます。また、折り畳んで長期保管すると生地に折れ線が定着してしまう場合があるため、ハンガーでの吊り保管が望ましく、直射日光も避けることで素材寿命を大きく延ばすことができます。こうした扱いの難しさも含めて、まさに研究素材を日常着に落とし込んだストーンアイランドらしい一着と言えるでしょう。


現代のファッションシーンにおいては、テックウェアや機能素材を前面に出したデザインが再評価されている流れもあり、この2000年代初頭のストーンアイランドは再び注目を集めています。特にポール・ハーヴェイ期のプロダクトは、現代のテックブランドが行っている素材実験の原型とも言えるアプローチが既に実践されており、単なるアーカイブとしてではなく、今のスタイリングにも自然に組み込める完成度を持っています。デニムやミリタリーパンツとの相性はもちろん、スラックスなどのクリーンなボトムスと合わせても、素材のコントラストが際立ち、都会的で洗練された印象を作ることができます。


加えて、フード付きのパデッドジャケットという汎用性の高いカテゴリーでありながら、同時代の他ブランドには見られない素材選択と構造を持つ点で、ファッション的な個性も非常に強く、コレクターズピースでありながら日常使いも可能という、ストーンアイランドの理想的なプロダクト像を体現しています。サイズバランスも現代的な着用に適しており、レイヤードもしやすいため、秋口から真冬まで長いシーズンで活躍する点も実用面で大きな魅力です。


総じてこちらの2001AWモノフィラメントフーデッドパデッドジャケットは、ポール・ハーヴェイ期ストーンアイランドの素材研究、都市型ミリタリー思想、そしてガーメントとしての完成度が高次元で融合した代表作の一つです。単なる防寒着ではなく、着ることでブランドの研究史そのものを体感できるプロダクトであり、今後さらに評価が高まっていくことが確実視されているカテゴリーでもあります。ストーンアイランドの真骨頂を知る上でも、ワードローブに加える価値のある一着として、自信を持っておすすめできるアイテムです。