1990s GOANNA Leather & Nylon Boa Aviator Jacket
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COLOR : GREEN & BROWN
SIZE ONE:着丈cm 肩幅cm 身幅cm 袖丈cm
MATERIAL :
SHELL : COTTON 65% POLYESTER 35%
LINING : COTTON 100%
CUIR VERITABLE REAL LEATHER
1990s GOANNA Leather & Nylon Boa Flight Jacket
「GOANNA」は、90年代にアメリカンカジュアルやミリタリーテイストをベースに独自の解釈を展開したブランドであり、当時のストリートやアウトドアシーンに強く影響を与えました。その特徴は、アメリカンワークやミリタリーを土台にしつつも、ヨーロッパ的な感覚やファッション性を重視したデザインにあります。特にレザーやナイロンといった異素材を組み合わせたプロダクトは、ブランドの代表的なスタイルの一つといえるでしょう。
この「Leather & Nylon Boa Flight Jacket」は、その名の通り、フライトジャケットをベースとしながら、素材の切り替えやディテールによってオリジナルな存在感を放っています。まず目を引くのは、ボディ前面に大胆に配されたブラウンのレザーと、袖や背面を覆う深緑のナイロンとの切り替えです。ナイロンの軽快さとレザーの重厚さが共存することで、実用性とラグジュアリー感が同時に表現されています。
襟には見事なボアが施されており、フライトジャケットとしての防寒性を高めると同時に、デザインのアクセントとしても強い存在感を持っています。特にスタンドカラーにボアを組み合わせ、さらにストラップで留める仕様は、第二次大戦期の航空隊ジャケットを思わせるクラシカルな要素であり、アメリカンフライトウェアの伝統を踏襲したものです。
ディテールを見ていくと、フロントには複数のポケットが配され、ジップやフラップ、スナップボタンといった多様な仕様が組み合わされています。これらは収納性を確保する実用的な役割を担うと同時に、視覚的なリズムを生み、全体のデザインに立体感を与えています。さらに袖には大きなエルボーパッチが施されており、摩耗しやすい部分を補強する実用性に加えて、クラシックなハンティングジャケットやアウトドアウェアの雰囲気を漂わせています。
シルエットはややオーバーサイズ気味で、90年代的なリラックス感が表現されています。リブ付きの裾と袖口が全体を引き締め、着用時には自然と丸みを帯びたシルエットを作り出します。このバランス感覚は、無骨さとファッション性を両立させる90年代独自のエッセンスであり、現在のヴィンテージ市場でも非常に人気が高い要素です。
素材構成に目を向けると、前身頃と一部のディテールに厚みのあるカウレザーが用いられており、経年とともに味わい深い艶を増していきます。一方で袖や背面に使われたナイロンは軽快で撥水性を持ち、日常の着用にも適した実用性を提供します。レザーとナイロンという対照的な素材を一着にまとめ上げることは決して容易ではありませんが、GOANNAはその難題をクリアし、見事なまでの調和を実現しています。
このジャケットが特に興味深いのは、アメリカンフレーバーを漂わせながらも、決して単なるレプリカにとどまっていない点です。確かにフライトジャケットやアウトドアウェアからの引用は明確ですが、それらを90年代的なサイズ感、異素材ミックス、そしてボア襟のラグジュアリーな仕上げによって、当時ならではのファッションアイテムへと昇華させています。ここに、GOANNAが単なるワークブランドではなく「モードとカジュアルの中間」を目指した背景がうかがえます。
今日において、このような「Leather & Nylon Boa Flight Jacket」は市場にほとんど出回らず、希少性の高いアイテムとなっています。とりわけ本品のようにコンディション良好な個体は極めて少なく、ヴィンテージコレクションの観点から見ても価値ある一着といえるでしょう。
袖を通せば、アメリカンヴィンテージの骨太さと90年代ファッションの遊び心が一体となった存在感を体感できます。重厚でありながらも軽快、無骨でありながらも洗練されている。その矛盾を一着の中に内包することこそ、このジャケットの魅力です。


