1950's German Army Sprinter camouflage paratrooper jacket
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COLOR : SPRINTER CAMO
SIZE 172-92:着丈65.5cm 肩幅52cm 身幅69cm 袖丈55.5cm
MATERIAL : COTTON 100%
1950年代、西ドイツ軍(Bundeswehr)の空挺部隊に支給された「Splinter Camouflage Paratrooper Jacket」は、第二次世界大戦期のドイツ軍迷彩の流れを色濃く引き継ぐ、軍装史上きわめて重要な一着です。通称「スプリンターカモ」と呼ばれるこのパターンは、幾何学的な鋭いラインと直線的なブロックを組み合わせ、そこに細かなレインドロップを加えることで森林や都市部における高い迷彩効果を発揮しました。その完成度と独自性は戦後も脈々と受け継がれ、NATO諸国の迷彩デザインにも大きな影響を与えました。
本個体は1950年代製造のパラトルーパージャケットであり、戦後西ドイツ軍における初期型の一つです。本来は取り外し可能なフードが付属していましたが、残念ながら欠損しています。しかしながら生地の状態や色の発色は極めて良好で、コンディションは抜群です。さらに特筆すべきは、袖に付けられた部隊章・腕章がそのまま残っている点です。現存するジャケットの多くはパッチが取り外されてしまっており、当時のまま残るものは極めて稀少です。コレクターズアイテムとしての価値をさらに高めるディテールといえるでしょう。
機能的なディテールにも注目です。袖口はボタン仕様になっており、しっかりと手首をホールドすることで風の侵入を防ぎます。裾にはゴムが内蔵されており、ドローコードで調整するタイプではないものの、自然にきゅっと締まる構造で外気をシャットアウトし、降下作戦や野外活動において体温を保つ実用的なデザインとなっています。こうした細部の仕様は、過酷な環境における空挺部隊用ジャケットとしての合理性を物語っています。
素材は堅牢なコットンキャンバスで仕立てられ、落下傘部隊の任務に耐え得る強靭さを誇ります。フロントには大きめのフラップポケットが複数配置され、携行性と実用性を両立しています。デザインとしての完成度も非常に高く、機能美と軍事的合理性が一体となった一着です。
スプリンターカモは軍装史における重要性だけでなく、ポピュラーカルチャーにおいても特別な存在です。その象徴的なエピソードとして知られるのが、ジョン・レノンがプライベートでこのカモフラージュを愛用していたことです。彼がスプリンターカモのジャケットを羽織った姿は写真にも残されており、戦後の軍服がファッションへと転換していく象徴的な瞬間でした。反戦と平和を歌い続けたレノンが軍服を纏うという逆説的な行為は、今なお強いメッセージを放っています。
ここ軽井沢は、ジョン・レノンが家族とともに滞在し、長い時間を過ごした特別な場所です。その軽井沢から、このスプリンターカモジャケットを発信できることは、何か感慨深いものがあり個人的にも思い入れのある1着。ジョン・レノンが愛した文化と、戦後の歴史を映し出すミリタリーウェアを、この地から紹介できることは大変意義深いです。
現代においてこのジャケットの魅力は二つあります。一つはミリタリーコレクションとしての価値です。戦後西ドイツ軍初期型のスプリンターカモジャケットは現存数が限られており、部隊章が残り、なおかつ良好なコンディションを保っている個体は博物館級の希少性を誇ります。もう一つはファッションピースとしての魅力です。幾何学的なカモフラージュパターンは現代の装いにおいても新鮮で、ジョン・レノンの文脈を重ねることで唯一無二の存在感を持ちます。
「1950’s German Army Splinter Camouflage Paratrooper Jacket」は、軍装史における意義とポップカルチャーの象徴性を兼ね備えた特別な一着です。フードの欠損はあるものの、袖章やコンディションの良さ、そして軽井沢という土地からジョン・レノンのカルチャーを発信できることの意味は計り知れません。博物館級の価値を持ちながら、今もなお力強い存在感を放つこのジャケットを、ぜひ手に取っていただきたいです。


