stone island

2010ss STONE ISLAND SCREEN CARBON SILK JACKET

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COLOR : LIME YELLOW

SIZE:S 着丈62cm 肩幅41.5cm 身幅50cm 袖丈63cm

MATERIAL : SILK 63% NYLON 30% CARBON 4% POLYESTER 3%

 

STONE ISLANDは、1982年にマッシモ・オスティによって設立されて以来、「素材開発」と「ガーメントダイ(製品染め)」という二つの軸を中心に、他のファッションブランドとは一線を画す独自の進化を遂げてきたブランドです。単なるミリタリー由来の機能服やスポーツウェアではなく、工業素材や特殊加工をファッションの文脈に落とし込み、都市生活に適したリアルな“プロダクト”として昇華させてきた点が、今なお世界中のコレクターやファッション愛好家を惹きつけ続けている理由です。本作「2010ss STONE ISLAND SCREEN CARBON SILK JACKET」は、まさにそのSTONE ISLANDらしさが凝縮された一着と言えます。

まず特筆すべきは、このジャケットに使用されている「カーボンシルク」という素材です。STONE ISLANDは90年代以降、ナイロンメタルやアイスジャケット、RASO GOMMATO、ポリウレタンコーティングなど、常に新素材の開発・実験を行ってきましたが、その延長線上に位置するのがこのカーボンシルクです。シルク本来が持つ上品な光沢感と軽やかさに、カーボンを配合・コーティングすることで、独特のハリ感や奥行きのある質感を生み出しています。化学繊維とは異なる天然繊維由来の風合いを残しながら、工業素材的な無機質さも感じさせるこのバランスは、STONE ISLANDの素材哲学そのものと言えるでしょう。実際に手に取ると、軽量でありながらもどこか「道具感」のあるタッチが感じられ、単なるファッションアイテムではなく、機能服としての思想を内包していることが伝わってきます。

また、本モデルはSCREEN CARBON SILKという名称が示す通り、シルク素材に対してスクリーンプリントやコーティング的な処理が施されており、平坦ではない独特の表情を持っています。光の当たり方や角度によって微妙に陰影が変わり、単色ながらも非常に表情豊かな仕上がりです。この「一見シンプルだが、近くで見ると情報量が多い」という点は、STONE ISLANDのアウター全般に通じる魅力であり、玄人好みの要素でもあります。派手なロゴや装飾に頼らず、素材と構造で語るデザインは、長年にわたって評価され続けているSTONE ISLANDの美学です。

カラーリングに関しても、本個体は非常に優れたバランスを持っています。淡くも発色の良いイエロートーンは、STONE ISLANDが得意とするガーメントダイ的なニュアンスを想起させつつ、春夏シーズンに映える軽快さを備えています。2010年前後のSTONE ISLANDは、ブラックやオリーブといったミリタリー由来の定番色だけでなく、こうした柔らかくも存在感のあるカラーを積極的に提案しており、機能服としての文脈とファッション性のバランスをより洗練させていった時期でもあります。現代のトレンドにおいても、くすみがかったペールトーンやニュアンスカラーは高い人気を誇っており、このジャケットは15年以上前のアイテムでありながら、現在のスタイリングにも違和感なく溶け込みます。

サイズはS表記ですが、STONE ISLAND特有の立体的なパターン設計により、タイトすぎず程よく構築的なシルエットを描きます。ミリタリーウェアやワークウェアをルーツに持つSTONE ISLANDのアウターは、動きやすさや可動域を意識したカッティングが施されており、着用時のストレスが少ない点も大きな魅力です。身体に沿いながらも過度にフィットしすぎないバランスは、インナーにスウェットや薄手のニットを合わせるレイヤードにも適しており、春先から初夏、秋口まで長いシーズン活躍する実用性の高さも兼ね備えています。

STONE ISLANDがこれほどまでに支持される理由の一つとして、「単なる流行では終わらないプロダクトである」という点が挙げられます。マッシモ・オスティの思想に根ざした“服=プロダクト”という考え方は、後にC.P.COMPANYやSTONE ISLAND SHADOW PROJECTなどのラインにも引き継がれ、現代のテックウェアやゴープコアの潮流にも大きな影響を与えています。近年では、ストリートファッションの文脈においてSTONE ISLANDが再評価され、世界的なアーティストやセレブリティが着用することで若い世代からの注目もさらに高まっています。機能性とデザイン性の両立、そして経年変化すらも魅力として成立する素材選びは、流行に消費されるファッションとは異なる“長く付き合える服”としての価値をこのブランドにもたらしています。

カーボンシルクという素材自体も、STONE ISLANDのアーカイブの中では決して大量に流通したわけではなく、当時の実験的な試みの一つとして位置づけられます。こうした実験素材は、生産コストや取り扱いの難しさから継続的に採用されないことも多く、結果としてアーカイブ市場では希少性の高い存在となります。単に「古いSTONE ISLAND」というだけでなく、「STONE ISLANDがどのような素材研究を行っていたか」を物語る資料的価値を持つ点も、本アイテムの大きな魅力です。

コンディションについても、全体的に良好で、目立つダメージが少ない点は非常に評価が高いポイントです。STONE ISLANDのアイテムは、ガーメントダイやコーティング加工の影響で、経年による色落ちや風合いの変化が顕著に出るものも多いですが、本個体はSCREEN CARBON SILK特有の質感をしっかりと保っており、当時の雰囲気を良い状態で楽しめる一着となっています。アーカイブピースとしての価値と、日常的に着用できる実用性の両立は、ヴィンテージやアーカイブを選ぶ上で非常に重要な要素です。

総合的に見て、本作「2010ss STONE ISLAND SCREEN CARBON SILK JACKET」は、STONE ISLANDというブランドが築いてきた素材開発の歴史、ミリタリー・ワークウェア由来の機能美、そして現代ファッションにも通じるデザイン性を一着の中で体現したアイテムです。派手さはありませんが、理解すればするほど奥行きのあるプロダクトであり、長く愛用することでその価値を実感できるタイプのアウターです。STONE ISLANDのアーカイブを語る上でも外せない素材の一つであるカーボンシルクを用いた本モデルは、コレクターの方はもちろん、初めてSTONE ISLANDに触れる方にとっても、このブランドの思想を体感できる入り口として非常におすすめできる一着です。