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1990's Made in ITALY Henry Cotton's Cotton Jacket

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COLOR : natural

SIZE ONE:着丈78.5cm肩幅54cm身幅62cm袖丈54.5cm

MATERIAL : COTTON

1990's Made in ITALY Henry Cotton's Cotton Jacket

1990年代にイタリアで製造されたHenry Cotton’sのコットンジャケットは、ブランドの持つ英国的な気品とイタリア流のカジュアルセンスが絶妙に溶け合った一着です。控えめながらも存在感のあるベージュトーンと、実用性を意識したポケットワーク、そして羽織るだけでシルエットが美しく整うデザインは、まさに当時のHenry Cotton’sが追求していた「日常に寄り添うエレガンス」を象徴しています。

Henry Cotton’sは、伝説的なイギリス人プロゴルファー、Sir Henry Cottonの名を冠して1970年代に誕生したブランドです。ゴルフを起点とする「スポーティでありながら紳士的」というスタイルをベースに、クラシックな英国トラディショナルを礎に据え、そこへイタリアならではの柔軟なデザイン感覚を組み合わせることで独自の存在感を築いてきました。ブランドが目指したのは、スポーツとクラシック、機能性とエレガンスの調和であり、本品のようなジャケットにはその思想が色濃く刻まれています。

まず注目すべきは、そのカラーリングです。淡いベージュカラーは、英国カントリースタイルの伝統を想起させながらも、イタリア的な洗練を帯びた都会的な印象を与えます。ワークジャケットやハンティングジャケットにルーツを持つような色合いでありながら、Henry Cotton’sが仕立てると土臭さを感じさせず、むしろクリーンで軽快な印象に仕上がります。光の当たり具合で見せる柔らかな表情は、まさに90年代的な「ナチュラルカラー」の美学を反映しているといえるでしょう。

デザインの面では、フロントに配された4つのフラップ付きポケットが目を引きます。これはアウトドアやハンティングジャケットの要素を取り入れた実用的なディテールでありながら、配置やバランスに工夫が凝らされており、全体のシルエットを崩すことなくスマートに見せる役割を果たしています。ラペルカラーを備えたシンプルなフロントは、シャツやニットとの相性も抜群で、ボタンを留めるか開けて羽織るかで表情が大きく変わります。さらに袖口にはボタンによる調整が可能で、細部にまで「機能性と美観の両立」を目指すHenry Cotton’sらしい設計思想が感じられます。

素材にはしっかりとした質感を持つコットンが採用されており、90年代イタリア製ならではの高品質な縫製と生地選びが光ります。着用を重ねることで生地が柔らかく馴染み、さらに色味が深みを増していく経年変化も楽しむことができます。新品当時の張り感が次第に落ち着き、身体に沿うようにフィットしていくプロセスこそが、このジャケットの大きな魅力のひとつです。ベージュという色味もまた、使い込むほどに自然な風合いを帯び、古着としての存在感を高めていきます。

1990年代は、ファッションにおいて機能性とカジュアルが融合し、都市生活者がアウトドア的なディテールを日常に取り入れる時代でした。その中でHenry Cotton’sは、単なるアウトドアウェアではなく、「紳士のためのカジュアル」としての解釈を提示しました。本品はまさにその文脈を体現しており、フィールドジャケットやハンティングコートの機能性を保ちながらも、都会の街角に自然と馴染む洗練を持っています。これこそがHenry Cotton’sが当時確立した「スポーツ&クラシック」の理想形といえるでしょう。

現代の視点から見ても、このジャケットの魅力は衰えるどころか、むしろ新鮮に映ります。程よくゆとりのあるシルエットは、90年代特有のリラックス感を残しつつも、現代のオーバーサイズスタイルとも相性が良く、時代の潮流と見事にリンクします。ベージュカラーはスタイリングの幅を広げ、デニムやチノと合わせたカジュアルスタイルはもちろん、シャツやスラックスと合わせて上品に仕上げることも可能です。羽織るだけで自然と「抜け感」と「品格」を両立できる点は、まさにHenry Cotton’sの哲学が活きた部分といえるでしょう。

また、90年代イタリア製Henry Cotton’sのアイテムは、今日では希少性が高まりつつあります。当時は生産背景においても高品質を徹底していたため、現存する個体はしっかりとした作りを今なお保っています。しかしながら、コンディションの良いものは少なく、特に色残りが美しく、ボタンやステッチなど細部まで健在なジャケットは市場でも評価が高まっています。本品はまさにその条件を満たしており、実用的に日常で着用できる一着であると同時に、コレクションとしての価値も兼ね備えています。

この1990’s Henry Cotton’s コットンジャケットは、ブランドの歴史、90年代という時代背景、イタリア製ならではの高品質、そしてベージュという普遍的なカラーリングを兼ね備えた逸品です。単なるカジュアルジャケットにとどまらず、着用者のライフスタイルに溶け込みながら、ふとした瞬間にクラシックな気品を漂わせる存在感を放ちます。袖を通した瞬間、Henry Cotton’sが掲げてきた「スポーツとクラシックの融合」が現代に息づくことを実感できるでしょう。