1950's Czechoslovakian Army Svazarm Splinter Camouflage Hoodie Pullover
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COLOR : Svazarm Splinter Camo
SIZE ONE:着丈66.5cm 肩幅45cm 身幅59cm 袖丈54cm
MATERIAL : COTTON 100%
一目見た瞬間に心を奪われる、独特なカモフラージュパターン。こちらは旧チェコスロバキア軍が訓練用装備として採用していた、通称“ズヴァザームカモフラージュ”を用いたフーディージャケットです。現代のミリタリーウェアとは一線を画す配色と構成美は、単なる迷彩柄という枠を超え、ひとつの「パターンデザイン」として完成された美しさを感じさせてくれます。
ズヴァザーム(ZVÄZARM)とは、冷戦期のチェコスロバキアに存在した準軍事組織の名称で、正式には「Svazarm(国防協力同盟)」と呼ばれていました。この組織は、若者に向けた軍事訓練や射撃訓練、通信訓練などを目的とした団体であり、正規軍とは別枠ながらも極めて軍に近い役割を担っていました。本ジャケットは、そうした実践的な訓練環境で使用されていた背景を持つ、極めてリアルなミリタリーピースです。
このカモフラージュが他国の迷彩と大きく異なるのは、その有機的かつ不規則なパターン構成にあります。ブラウン、オリーブ、セージグリーン、ベージュといった自然界に溶け込む色味をベースに、縦方向の細かなストロークを加えることで、立体感と動きを生み出しています。遠目では抽象画のようにも映り、近くで見ると極めて緻密な設計であることが伝わってくる、奥行きのあるデザインです。現代のデジタルカモやピクセルカモとは真逆の、手描きのような温度感が残る迷彩と言えるでしょう。
ジップ仕様とフーディータイプの構造も、このジャケットを特別な存在にしています。一般的なミリタリージャケットに見られるスモックタイプではなく、ジッパーによって前面が大きく開閉できるため、現代のライフスタイルにも非常に馴染みやすい設計です。フードは適度なボリュームを持ち、被った際の立体感が美しく、首元の保温性と防風性を高めるだけでなく、全体のシルエットに奥行きを生み出しています。
このアイテムの最大の魅力は、その圧倒的な「希少性」にあります。ズヴァザームカモフラージュは、採用期間が短く、生産数もごく限られていたため、市場に流通する個体数が極めて少ない迷彩のひとつとされています。ヨーロッパ圏のレアカモフラージュとしてコレクターから高い評価を受けています。特にフード付きで、なおかつフロントハーフジップ仕様となると、その希少性はさらに高まります。
元来は訓練用、演習用として作られたウェアであるため、機能性も非常に高い水準にあります。程よく厚みのあるしっかりとした生地感は、風を受け止め身体を守るための実用性を重視した設計。可動域を妨げない構造、体の動きに沿って自然にフィットする立体裁断など、軍用装備ならではの合理性が随所に見て取れます。
現代において、このジャケットは単なるミリタリー古着という枠を超えた「ファッションピース」としての価値を確立しています。シンプルなスラックスやデニム、ワイドパンツとの相性は抜群で、インナーに無地のスウェットやカットソーを合わせるだけでスタイリングが完成します。あえてモード寄りの黒パンツと合わせて、カモ柄を主役にした都会的なミックススタイルもおすすめです。
軍装として生まれ、冷戦期の緊張感とともに時代を過ごしてきた一着。それが今、街着として再解釈され、新たな価値をまとっていること自体が、このジャケットの最大の魅力かもしれません。単なるデザインではなく、「背景をまとう」ような感覚。それはヴィンテージミリタリーだからこそ味わえる特権です。
二度と同じ条件で揃うことはほぼ不可能なレベルの希少カモフラージュ。歴史、機能、美しさ、その全てが交差する特別な一着です。


