WORK & MILITARY

1950's Czechoslovakian Army Dubaky camouflage reversible smock "Dead Stock"

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COLOR : GREEN/ORANGE

SIZE ONE:着丈65cm 身幅67cm 袖丈77cm

1950's Czechoslovakian Army Dubaky camouflage reversible smock "Dead Stock"

冷戦初期の東欧において、チェコスロバキア軍が独自に開発・採用した“Dubakyカモフラージュ”。その芸術的なパターンと、極めて少ない現存数から、今日では「幻」とも称されるこの迷彩をまとった、1950年代製のドゥバキーカモフラージュが、未使用のデッドストックコンディションで入荷しました。

Dubaky(ドゥバキー)とは、チェコ語で「オークの葉」や「森に生えるキノコ」に由来する名称ともされ、その名の通り、自然を抽象的に模した有機的な迷彩パターンが特徴です。曲線と斑点を組み合わせた独特のグラフィックは、当時のミリタリーウェアの中でも異例とも言えるデザイン性を有しており、ミリタリーという枠組みを超え、ファッションやテキスタイルデザインの視点からも高く評価されています。

このスモックはリバーシブル仕様となっており、両面に異なるカモフラージュパターンまたは濃淡が施されています。これは着用環境に応じて使い分けることを目的とした機能設計で、1枚の衣服で異なる地形や気候に適応するという、当時としては極めて先進的な発想によるものです。裏返すことで全く異なる表情を見せるこの仕様は、視覚的な楽しさと実用性を両立させており、現在のファッションシーンにおいても十分通用する普遍的な魅力を備えています。

このアイテムが生まれた1950年代のチェコスロバキアは、第二次大戦の傷痕が癒えぬままソ連の影響下に入り、国家体制も軍備も急速に再編されていった時代。その中で、特殊部隊や空挺部隊向けに少数生産されたとされるこのドゥバキーカモスモックは、一般兵士には支給されなかった特殊用途品です。生産数自体が極めて少なく、さらにその多くが過酷な使用環境で失われたため、現在まで“未使用”の状態で保管されていた本品は、まさに奇跡的な存在と言えるでしょう。

長い年月を経ながらも、色味や生地のハリ感は当時のまま、ほとんど手が触れられていないような保存状態を保っています。タグやスタンプなども読み取れる個体もあり、資料性という点でも非常に価値の高い一点です。

シルエットはオーバースモックらしいゆったりとした設計で、アウターの上から被るために考えられたシンプルな構造。襟元のドローコード、裾や袖口の調整機能など、最低限にして効果的なディテールが配置されており、極めて実用的かつミニマルな美学が光ります。装飾性を削ぎ落とした構成だからこそ、ドゥバキーカモのグラフィックが一層際立ち、唯一無二の存在感を放ちます。

このスモックは、ヴィンテージウェアという枠を超え、“戦後東欧デザイン史における貴重な物証”とも言うべき存在です。
冷戦の狭間で静かに生み出され、役目を終えることなく未使用のまま眠っていたその姿は、まさに時代を超えて受け継がれるべき「着るアーカイブ」。アートピースのようなカモフラージュと、軍装品としての歴史背景が、唯一無二の魅力を構成しています。

ファッション的にはもちろん、資料的・文化的な価値の高いヴィンテージピース。チェコスロバキアという国が存在していた時代の、極めて限られた時間と場所でしか生まれ得なかったこの逸品を、ぜひあなたの手で継承してください。