1940's WWII British Army PINK CAMOUFLAGE Anti Gas Cape Desert Storm Coat

1940's WWII British Army PINK CAMOUFLAGE Anti Gas Cape Desert Storm Coat

1940年代頃のイギリス軍、ピンクカモフラージュアンチガスケープデザートストームコートです。

第二次世界大戦中、イギリス軍が砂漠地帯での作戦行動を前提に開発・採用した、異色のカモフラージュパターン──通称“ピンクカモ”として知られるアンチガスケープ。
本品は1940年代前半、主に北アフリカ戦線において限定的に配備されたとされる特殊装備で、通称「デザートストームコート」とも呼ばれるアイテム。その目的は、当時高まりつつあった化学兵器の脅威に備えることであり、兵士の身体をガスや有害物質から守るための防護ケープとして設計されました。

外観上の最大の特徴は、何と言ってもその色彩にあります。一般的に想像されるミリタリーの配色、オリーブ、カーキ、アースカラーとは大きく異なり、このケープには淡いピンクベージュとライトブラウンの迷彩パターンが施されています。この一見ファッション的にも映る配色は、決して装飾のためではなく、砂漠の岩肌や夕暮れの光に紛れることを意図した機能的な迷彩であり、当時の軍事科学の先端を行く試みでした。

デザインはマント状で、ガスマスクの上から素早く被れるように設計されています。肩から膝にかけて大きく覆う形状は、風雨や砂塵、そして毒ガスから兵士を守るための実用的な意図に基づいています。素材には当時の防護処理が施された薄手のコットンが使用されており、風合いは無骨ながらも独特の柔らかさを帯び、時を経てなお魅力を増しています。

このピンクカモのアンチガスケープが現代において特別視される最大の理由は、その極めて高い希少性にあります。戦時中の限られた地域でのみ配備され、実戦後は多くが廃棄、あるいは用途不明のまま忘れ去られていったため、現存数は極めて少数。さらに、このような良好なコンディションで残されている個体は、コレクター市場でもほとんど流通せず、年々その価値は高まり続けています。

ミリタリーウェアとしての歴史的価値はもちろんのこと、現代の視点から見ると、これはもはや“軍用服”の域を超えた一種のアートピースとも言える存在です。ピンクという色彩がもたらす視覚的な意外性と、それに反する武骨な用途の対比は、ファッションとしても強烈な個性を放ちます。羽織るだけでスタイルに圧倒的な存在感をもたらすこのケープは、現代のストリートスタイルやモードな装いとも不思議と調和し、唯一無二のアクセントとして機能します。

また、展示やインテリアとしても高い美術的価値を持つ本品は、単なる服飾品ではなく、“歴史と素材の結晶”とも呼ぶべき逸品。軍装品、ヴィンテージウェア、アーカイブファッションの枠を超えて、過去の技術・思想・美意識を現代に伝える希少な証言者としての役割を果たします。

戦争という極限状況の中で、実用性と創意工夫によって生まれたこの一着。時代の空気とともに、風化しつつもなお色褪せない存在感を放ち続ける“幻のピンクカモ”。今、あなたの手で、その歴史を引き継いでください。