06AW STONE ISLAND Flax Tela Jacket With Quilted Liner
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COLOR : BLACK
SIZE XL : 着丈81cm 肩幅47cm 身幅60cm 袖丈68.5cm
MATERIAL :
LINOFLAX 77%
NYLON23%
06AW STONE ISLAND Flax Tela Jacket with Quiltnd Liner
1982年、イタリアのマッシモ・オスティによって創設された〈STONE ISLAND〉は、創業以来“素材実験”をブランドの核に据え、常に革新を追求してきました。90年代半ばには英国人デザイナー、ポール・ハーヴィー(Paul Harvey)がクリエイティブディレクションを担い、機能性とユーティリティを強調したプロダクトを発表。その後、2005年に彼が退任すると、ブランドを支えるカルロ・リヴェッティ率いるデザインチームが中心となり、さらに新たな素材研究の方向性を打ち出しました。
本作「06AW Flax Tela Jacket」は、まさにその転換期を象徴する一着です。ハーヴィーが築いたミリタリー的機能美を踏襲しつつ、リヴェッティ体制によって“天然素材を現代的に再構築する”という新たなアプローチが加えられています。
このジャケットで最も注目すべきは、“Flax Tela(フラックス・テラ)”と呼ばれる素材です。Flaxとはリネンの原料である亜麻を指し、古くからヨーロッパで織物の基本とされてきた天然繊維です。一般的にリネンは春夏素材として扱われることが多く、軽やかで通気性に優れる一方、秋冬のアウターには用いられることが稀でした。しかしSTONE ISLANDはその常識を打ち破り、リネンを独自に加工・コーティングすることで、秋冬にふさわしい強度と耐久性を備えたファブリックへと昇華させました。
Flax Telaの持つ特徴的な質感は、コットンやナイロンにはない奥行きのある表情にあります。リネン特有のざらりとした風合いに、STONE ISLAND独自のガーメントダイ(製品染め)を施すことで、深みのある色合いと経年変化を楽しめる仕上がりに。光の角度によってマットにも、わずかに光沢を帯びたようにも見える独特の表面感は、まさにアーカイブ・ピースとしての価値を裏付けています。
さらにこのモデルには“Quilted Liner(キルティングライナー)”が装備されています。ライナーは取り外しが可能で、単体でも着用できる仕様。当時のSTONE ISLANDが掲げていた「機能服」としての思想が色濃く反映されたディテールであり、寒暖差の激しい秋冬シーズンにおいて多用途に対応可能な設計です。フロントには4つの大容量ポケットが配され、フィールドジャケットを思わせる無骨な佇まい。加えて、立体的に構築された袖のパターンは可動域を広げ、ストレスなく着用できる実用性を備えています。
06AWという時代背景にも触れておきたいところです。2000年代中盤のSTONE ISLANDは、オスティ時代の実験精神を継承しつつ、素材と機能の関係性をさらに深化させていました。ナイロンメタルやリフレクティブといった未来的なファブリックに並び、このFlax Telaは“天然繊維を現代的に再解釈する試み”として異彩を放っています。つまり、STONE ISLANDの技術力は合成繊維のみに限らず、自然素材にまで及んでいたという証明でもあるのです。
また、ライナー付きの仕様は現代のアーカイブ市場でも高い評価を受けています。多くのSTONE ISLANDのアウターはシェル単体で用いられることが多い中、オリジナルのライナーが現存している個体は希少性が高く、完全な形で残されているものはコレクターにとって垂涎の的です。本作もライナーがしっかりと揃っており、当時の完成度をそのまま感じられる貴重な一着となっています。
国内外のコレクターの間でも人気の高いシリーズでありながら、市場に出回る数はごく限られています。特にコンディション良好なものは稀少で、時間を経てこそ味わいが増すリネン素材の特性も相まって、年を追うごとに評価は高まっています。
Flax Tela Jacketは、STONE ISLANDの「素材探求」という哲学を天然繊維の領域にまで広げた挑戦作であり、2000年代を代表するアーカイブとして位置づけられます。耐久性と機能性、そして唯一無二の表情を兼ね備えたこのジャケットは、まさに“生きた実験の成果”と言えるでしょう。
STONE ISLANDが示した、天然素材と機能服の融合。その到達点を、06AW Flax Tela Jacketでぜひ体感してください。


