1960's Italian Army San Marco Camouflage SAS Type Over Trousers
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¥99,000
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COLOR : san marco camo
SIZE ONE:ウエスト~100cm 股上40cm 股下88cm ワタリ38cm 裾幅24cm
MATERIAL : COTTON
1960年代頃、イタリア軍にて使用されていたとされる“サンマルコカモ”パンツ。その中でも、本個体は明らかに通常流通している官給品とは異なる特異な存在です。おそらく当時の軍用テント生地を転用し、オリジナルで仕立てられたと推測される極めて珍しい一本。ミリタリーウェアの枠を超え、資料的・文化的価値すら感じさせる希少なピースです。
サンマルコカモ特有の、有機的で不規則なブラウン、グリーン、オリーブのパターンは、イタリア軍らしい美意識を色濃く反映した迷彩として知られています。本個体はその色味の出方が非常に深く、単調になりがちなカモ柄とは一線を画す奥行きを持っています。特にテント生地由来と思われる独特の織り感と経年による風合いが重なり合い、まるで一点物のアートピースのような存在感を放ちます。
シルエットやディテールは、イギリス軍のSASオーバーパンツを彷彿とさせる設計。ウエスト部分の構造、ゆとりを持たせたレッグライン、裾のドローコード、そしてポケット配置のバランスまで、機能美を追求した設計思想が随所に見て取れます。単なる軍服ではなく、極限環境下での実用性を前提に設計された“道具としての完成度”が、このパンツには確かに宿っています。
生地感も特筆すべきポイントです。一般的なサンマルコカモのボトムに見られるような厚手のコットンキャンバスではなく、より薄く、より軽量。SASオーバーパンツに近い軽快な質感でありながら、芯のあるハリを失っていないのが特徴です。風に揺れるような軽さと、軍用品らしいタフさを同時に感じさせる不思議なバランスは、この個体ならではの魅力と言えるでしょう。
全体のシルエットは、ルーズすぎず、タイトすぎない絶妙な設計。ミリタリーパンツでありながら、現代的なワードローブにも自然に溶け込みます。無地のシャツやシンプルなニットと合わせれば洗練された印象に、無骨なヴィンテージジャケットと組み合わせれば重厚な世界観を演出できます。主張の強い迷彩柄でありながら、不思議とスタイリング全体を引き締めてくれる、完成度の高い一本です。
このパンツの本質的な魅力は「希少性」だけには留まりません。軍という極めて機能的な組織の中で生まれたにもかかわらず、デザインとしての完成度、素材選びの美意識、そして経年によって生まれた偶発的な表情までもが一体となり、唯一無二の存在へと昇華されています。テント生地転用というバックストーリー、SASモチーフと推測されるディテール、そしてイタリア軍特有の色彩感覚。その全てが重なり合い、このパンツに他にはない“空気”を与えています。
量産された官給品では決して辿り着けない領域。ヴィンテージミリタリーの奥深さと、その中でも特異点とも言える魅力を凝縮した一本です。コレクションピースとしても、日常に落とし込む一着としても、持ち主のスタイルに確かな説得力を与えてくれる存在。目の肥えた方にこそ手に取っていただきたい、真に希少なサンマルコカモパンツです。


