1980's AW C.P.COMPANY WOOL / SATIN BOMBER JACKET
- 定価
-
¥0 - 定価
-
- 特価
-
¥0
在庫取り置きの表示がロードできない
COLOR : KHAKI
SIZE 46:着丈67cm 肩幅54cm 身幅62cm 袖丈59cm
MATERIAL :
表地:WOOL 100%
裏地:VISCOSE 100%
中綿 : VISCOSE 100%
今回ご紹介するのは、1980’s AW C.P. COMPANY Wool / Satin Bomber Jacket、C.P.カンパニー初期にあたる1980年代秋冬シーズンのウール×サテン切替ボンバージャケットです。ミリタリーとスポーツウェア、ワークウェアの構造を再編集し、都市生活に適応させるというマッシモ・オスティの思想が、最も純度の高い形で反映されていた時代のプロダクトであり、現在のテックウェアや機能服の源流としても非常に重要な位置付けにある一着です。単なるデザイン性だけでなく、素材選定からパターン、ディテールに至るまで、すべてが機能性と着用環境を前提に構築されている点に、初期C.P.カンパニーならではの説得力が宿っています。
まず注目すべきは、表地に用いられたウール素材と、裏地に配されたサテンキルティングとの明確なコントラストです。表地のウールはミリタリーコートを思わせる密度の高い織りで、冷気を遮断しつつ適度な通気性を確保する実用的な素材感となっています。一方で裏地には滑りの良いサテン素材を用いたキルティングライニングが採用されており、保温性を高めながら着脱時のストレスを軽減する構造です。この異素材の組み合わせは、単なる見た目の変化ではなく、機能分担として明確な役割を持たせている点が重要で、ミリタリーウェアにおけるシェルとライナーの関係性を、タウンユース用のボンバージャケットに落とし込んだ設計思想が感じ取れます。
襟周りの構造も非常に特徴的で、コーデュロイ素材による切り替えと、内側に配されたレザー調の補強パーツが視覚的にも質感的にもアクセントになっています。これはフライトジャケットやワークジャケットに見られる襟補強ディテールの引用であり、摩耗しやすい首元の耐久性を高めるという実用目的を持った構造です。C.P.カンパニーは常に既存の軍用衣料や作業着の構造を参照し、それを再構築する手法を取っていましたが、本作の襟周りはその典型例と言えます。異なる素材を組み合わせながらも、全体のトーンをグリーン系で統一しているため、決してチグハグにならず、むしろ素材差による奥行きとして成立している点が非常に巧みです。
フロントにはフラップ付きの大型ポケットが左右に配置されており、収納力とデザイン性を両立した構成となっています。ポケット位置がやや低めに設定されていることで、ボンバージャケット特有の短丈シルエットでありながら、全体のバランスが安定し、視覚的にもミリタリージャケットに近い安心感のあるプロポーションを形成しています。袖口と裾にはリブが設けられ、冷気の侵入を防ぐと同時に、丸みのあるシルエットを強調する役割も果たしています。このリブ仕様も本来はフライトジャケット由来の機能ディテールであり、防寒性と運動性を両立させるための構造として確立されたものです。
カラーについても、このジャケットの大きな魅力の一つです。表地のウールは深みのあるミリタリーグリーン、襟のコーデュロイはやや黄味を帯びたオリーブ寄りのグリーン、裏地のサテンキルティングは光沢感のある明るめのグリーンと、同じグリーン系でありながら素材ごとに異なる発色が計算されています。これは後年のC.P.カンパニーが確立するガーメントダイ文化の前段階とも言える色設計で、単色では表現できない立体感と奥行きを、素材の差によって生み出している点が非常に秀逸です。光の当たり方や動きによって色の印象が変わるため、着用時に表情が単調にならず、ヴィンテージでありながら非常にモダンな印象を与えます。
年代は1980年代の秋冬シーズンと見られ、まだブランドが大量生産体制に入る前の、実験的要素と思想性が色濃く反映されていた時期のプロダクトです。この時代のC.P.カンパニーは、のちにストーンアイランドへとつながる素材研究や染色技術の基礎を築いており、機能服をファッションとして成立させるための試行錯誤が、デザインの随所に刻み込まれています。そのため、同じボンバージャケットというカテゴリーであっても、一般的なMA-1的解釈とはまったく異なるアプローチで設計されており、あくまで都市生活における実用着として再定義されたシルエットと構造を持っている点が、本作の大きな価値と言えます。
現代ファッションの視点で見ても、このウール×サテンのボンバージャケットは非常に汎用性が高く、ワイドパンツやカーゴパンツと合わせたミリタリーライクなスタイルはもちろん、スラックスやニットと合わせたクリーン寄りのコーディネートにも自然に馴染みます。短丈で丸みのあるシルエットは、今のトレンドとも非常に相性が良く、インナーにパーカーや厚手のニットを仕込んでもバランスが崩れにくい点も実用面で大きな強みです。防寒性も高く、見た目以上に冬場のアウターとして十分な性能を備えているため、ファッション性と機能性を同時に求める方には非常に適した一着と言えます。
総合的に見て、この1980’s C.P. COMPANY Wool / Satin Bomber Jacketは、初期C.P.カンパニーの思想、ミリタリー由来の構造美、素材コントラストによる色表現、そして現代的なシルエットバランスが高次元で融合した非常に完成度の高いヴィンテージジャケットです。単なるブランド古着ではなく、機能服デザインの歴史を体感できるプロダクトとして、ファッション的にも資料的にも価値の高い存在です。今後さらに評価が進むであろう初期C.P.カンパニーの中でも、ここまで状態良く、デザイン的完成度の高いボンバージャケットは決して多くはありません。長く着用でき、スタイルを選ばず、なおかつ時間とともに味わいが増していく一着として、ワードローブに加える価値は十分にあります。初期C.P.カンパニーの魅力を存分に味わえる実物として、自信を持っておすすめできるアイテムです。


