1980's AW C.P.COMPANY WOOL DOUBLE BREASTED COAT
- 定価
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¥110,000 - 定価
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¥110,000
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COLOR : GREEN
SIZE 48:着丈74cm 身幅60cm 裄丈78cm
MATERIAL :
表地:WOOL 55% / GUM 45%
裏地:NYLON 100%
中綿 : POLYESTER 100%
今回ご紹介するのは、C.P. Company 1980s Wool Double Breasted Coat、イタリア発の名門ブランドC.P.カンパニー初期にあたる1980年代製のウールダブルブレストコートです。ミリタリーとワーク、そしてスポーツウェアの機能性を日常着へと落とし込むという、C.P.カンパニーの思想が最も純度の高い形で表現されていた時代の一着であり、現在のテックウェア文脈の源流とも言えるプロダクトです。ブランド創設者であるマッシモ・オスティは、軍用衣料や作業着の構造を徹底的に研究し、それを都市生活に適応させることをデザインの核としていましたが、本作はまさにその思想がクラシックなコートという形式の中で具現化された代表的なアイテムです。
まず目を引くのが、たっぷりとしたボリュームを持つショールカラーです。通常のピーコートやダブルコートに見られるラペル構造とは異なり、首元を包み込むように設計された襟は、防寒性と視覚的存在感の両立を意図したものです。さらに襟元にはチンストラップが付属しており、風の侵入を防ぐために襟を立てて固定できる仕様となっています。これはミリタリーコートやモーターサイクルジャケットに見られるディテールの引用であり、単なる装飾ではなく、実際の着用環境を想定した機能から生まれた設計です。このあたりに、C.P.カンパニーらしい「デザイン=機能」という思想が色濃く表れています。
フロントはダブルブレスト仕様で、クラシックなコートの構造を踏襲しつつも、全体のシルエットはラグランスリーブによる丸みのある肩周りと、ややAライン気味のボディによって、非常に柔らかくモダンな印象に仕上げられています。身体の動きに沿うようなパターン設計は、当時のアウトドアウェアやミリタリーウェアの研究成果が反映されたもので、重厚なウール素材でありながら、着用時のストレスが少ない点も大きな特徴です。
ポケットの造形も非常に特徴的で、直線的ではなく緩やかなカーブを描くように設計されています。これは手を自然に差し入れやすくするための実用的な形状でありながら、視覚的にも柔らかさと有機的な印象を与える重要なデザイン要素となっています。さらに下部にはフラップ付きの大型ポケットが配置されており、収納力と防風性を兼ね備えた構造です。ミリタリージャケットやフィールドジャケットのポケット構成を彷彿とさせる配置であり、C.P.カンパニーが参照していた軍用衣料の系譜がここにも見て取れます。
裏地にはキルティングライニングが採用されており、保温性を高めると同時に、着脱時の滑りを良くする役割も果たしています。表地がしっかりとしたウールであるのに対し、裏地には軽量で柔らかな素材が用いられているため、重さを感じにくく、長時間の着用でも疲れにくい構造となっています。さらに注目すべきは、表地の深いグリーンと、裏地のやや明るいグリーンとのコントラストで、素材ごとに異なる発色を計算した色設計が施されている点です。C.P.カンパニーはガーメントダイ技法で知られるブランドですが、その前段階とも言える色への強いこだわりが、この時代のプロダクトにもすでに表れています。単一のグリーンではなく、複数のグリーンを重ねることで、立体感と奥行きを持った色表現が実現されており、光の当たり方によって表情が変わる点も、このコートの大きな魅力です。
年代的には1980年代前半から中盤のプロダクトと考えられ、まだブランドの量産体制が確立する前の、実験的かつ思想色の強い時代のアイテムに該当します。この時期のC.P.カンパニーは、のちにストーンアイランドへとつながる素材研究や染色技術の基礎を築いており、現在のテックウェアや機能服の文脈においても、非常に重要なポジションを占める存在です。その初期プロダクトが、ここまで完成度の高いコートとして残っていること自体、資料的価値も高いと言えます。
現代ファッションの視点で見ても、このコートは非常に汎用性が高く、クラシックとモダンの両立が可能なアイテムです。ワイドパンツやミリタリーパンツと合わせれば無骨で機能的な印象になり、スラックスやニットと合わせれば、ヨーロッパ的な上品さを感じさせるスタイリングも成立します。ボリュームのある襟とラグランスリーブによるシルエットは、インナーに厚手のニットやスウェットを重ねてももたつきにくく、真冬のアウターとしても十分な実用性を備えています。ヴィンテージでありながら、現代のシルエット感覚とも高い親和性を持っている点は、C.P.カンパニー初期プロダクトならではの完成度と言えるでしょう。
総合的に見て、このC.P. Company 1980s Wool Double Breasted Coatは、ブランド思想、ミリタリー由来の機能設計、クラシックコートの構造美、素材と色への徹底したこだわりが高次元で融合した非常に完成度の高い一着です。単なるヴィンテージコートではなく、現代のテックウェアや機能服デザインの源流を体感できるプロダクトとして、ファッション的にも歴史的にも価値の高い存在です。長く着用でき、なおかつスタイルを選ばず、時間とともにさらに味わいを増していく一着として、ワードローブに加える価値は十分にあります。初期C.P.カンパニーの世界観を体感できる実物として、自信を持っておすすめできるコートです。


